ごろんと天井を仰ぐ。
木目を目でたどりながら、ぼんやりと考えた。
・・私がこの生涯を終えたら、
その後、皆に何と言われるのだろう。
「天使みたいな子だった。」
本当はそういわれるような、
人を愛し、愛されてやまない女の子になりたかった。
それこそ、蝶のように、花のように。
つきたい職業はまだわからなかったけれど、
それが私の夢だったと、今さらながら気づいた。
叶えようとはしていたと思う。
でも、どんなに美しく舞えども、どんなに愛らしく咲けども、
一番見てほしい人はいつも背中を向けていた。
それでも、一瞬でも振り向く時を祈りながら、続ける、
命尽きるまで・・。
それは、できないのだ。
私にはできないのだ。
私は、愛するのではなく、愛されるために生きてしまった。
そんな、ちっぽけな人間なのだ。
きっと今日はこのまま眠れない。
彼の吐息を聞きながらでなければ、眠れない。
そう思ったので、扉を開ける鍵の音がするまで、再び枕カバーをいじりだした。


