翌日、当たり前のように父は焼かれた。
人を、焼く。
たとえ認められた神聖な行為だろうと、私には残酷な別れとしか思えない。
寒々しい空に、彼の体は溶けていった。
三人並んで、それを見つめる。
お父さん。
最後にこう呼んだのはいつだったっけ?
何年も会えなかったけど、そこからならよく見えますか。
最後に一度でも、普通の、ありふれた会話をしたかった。
テレビで漫才を見て笑うことでもいい。
穏やかな一瞬を、共有したかった。
かすれ声の言葉のシャボンは、気持ち良さそうに舞い、最初からなかったかのようにあっけなく消えていった。


