彼女の目には、彼女が抱える全ての憎しみ、後悔、悲痛がこめられているようだった。


それが、刺すようにこちらを向いている。

身動きがとれない。




17年間恐れ続けていた、


母の、完全なる拒絶。




『あ‥あんたが‥‥‥』




次の台詞はわかっていた。

でも聞く覚悟なんて、一生かけてもできる事じゃない。





——お母さん、私さ


——ケーキも、プレゼントもいらないから————



『おかあさ‥』



——言ってよ、おめでとうって‥—————————