一月二十八日。
私にとってこの日は、一年のうちのどんな行事よりも特別で、重みをもつ日である。
私が生まれた事を、認められる日だから。
『あ、おめでとう。』
毎年、一日が終わる頃にもらう、思い出したかのような母親の一言で、私は死ぬほど安堵するのだ。
生きててもよかったんだ。
もう一年、生きてもいいんだ。
こんなふうに、私が一年で最も臆病で、弱々しくなる日。
『Happy Birthday To Me.』
そう小さくつぶやき、部屋のテディベアに軽くキスをする。
そしてまだ眠る母に、いつものように書き置きをして家を出た。


