話は変わるけど、こっちは雪がすごいよ。最初感動して、積もっているところに、ぼふって倒れこんでみたの。制服で(笑)馬鹿だよね、死ぬかと思ったよ(笑)
東京の初雪はいつだろうね。麗ちゃんは誰とみるのかな、なんてね♪
自分の事ばかりべらべらとごめんね。麗ちゃんも負けじと書いてくれたらうれしいです。
まだまだ話したいことたくさんあるけど、長くなっちゃうからまた今度にします。
ではでは、お返事待ってるね。       華奈』



私は雪に埋もれて甲高い声で叫ぶカナを想像して、少し笑った。
あの優しそうなお母さんの近くで、時折微笑みを返しながら、これを書いたのだろうか。
ふわりとした見た目とギャップのある大人びた字。
ぢかに彼女に触れたような気がした。


カナはどこまでも進んでいく。次々と根をはり、あらゆる栄養を吸収しながら、ぐんぐんと育っていく。冬にひまわりが咲いているみたいだ。

いつかは向き合わなきゃいけないこととはなんだろう。
東京にまだ雪が降らないように、私はまた、彼女が見ている一歩前の景色を見ているのだろうな。そう思った。