ドアは当たり前のようにしまっていた。
息を切らしてうずくまる。
そこまで走って今さらながら、
何でこんなところに来たのかと愕然とした。
あぁ
私は
自分が期待するよりも
母親が期待するよりも
高瀬が期待するよりも
カナや亮太が期待するよりも
誰が思うよりも もっと
弱いのだ。
こんなにも 臆病。
こんなにも 逃げてばかり。
いつだってそう。
こんなにもこんなにも‥
本当は会いたかった。
『うぅぅぅ。』
うめいてぐらぐらと視界がゆれるのを感じた。
また胃の中のものがあがってくる感じがして、吐いた。
『あぁ‥‥ぁ‥』
数時間後にあいつが来るのに‥と、拭こうとタオルをだす。
しかし同時に倒れこんだ。
制服や髪に、黄色い液が付く。
それをみて、また自分を蔑んだ。
彼は、強さにも弱さにも定義はないと言った。
では私は 何をもって強さとしようか。
そんなものを決めたところで全うできやしないんだろうけど。
汚れた天井を見ながら
そんなふうにぼんやり思って
目を閉じた。


