人形のように、無表情で、力のない目。
みんなが先生を見た。
ひるんだ男子達から抜け出し、先生を抱きしめた。
‥私は、標的がこの人に代わってからずっと、何も言えずに見ていた。
ずっと、この人に甘えてた。
こんな姿になるまで、私は、この人を盾にしていた・・・!
『せんせ…ごめんね……』
先生の弱々しい手が頭をなでるのを感じた。
しかし、数秒後。
『…………ふ……』
先生が突然笑い出した。
『ふは…はは……あは、あはははははっ!!!』
思わず、身体を離した。
『せん‥‥せ?』
『はははっあははははは!!』
『…なんだこいつ…狂った…』
『いかれちまった』
まわりは、しん…とした。
主犯格の男子よりも何よりも、その先生は恐ろしかった。
完全に、何か切れてしまったようだ。


