バイトが夜になるので、時間が合わなくなり、なかなか直接会えなかったが、その分手紙や電話でお互い近況を報告しあった。

割のいいバイトだったので、いいペースで金はたまっていった。


バイトの帰り、ジュエリーショップに立ち寄る。


ぺリドットのリングを見せてもらう。

原産地はアリゾナ。色は透き通る緑。

爽やかで、どこか気品もあって、文子によく似合うと思った。

値段は—・・


(げ。)


やはりいいものの値ははる、

しかたない、頑張らねば。





それから4ヶ月近く、俺は受験勉強と平行してやっていたバイトを追加した。

よく身体を壊さなかったと思う。


最初はハードなスケジュールのせいで勉強のペースが崩れたが、
あいつに関することを言い訳にしたくない。そう思って持ち直した。

そうしているうちに要領がよくなったようだ。



文子もその間、学校に慣れてきて、クラス内の問題も少し落ち着きを見せているようだった。

3年生の進路が心配、なんて事も言っていた。

*


季節はめぐり、8月になった。

9日の今日、久々に文子と会う。

琢磨の協力もあり、一泊の外泊許可も出た。