「…………どういう、ことだ?」 寝室のドアを開けた私はまた困惑した。 自分の頭がおかしくなったんじゃないかと疑った。 「死体が……ない」 寝室の床に倒れていたはずの女の死体が、なかった。 血溜まりすら、ない。 私は信じられない光景に、その場に座り込んでしまった。 ……わけが、分からない。 一体、なんなんだ?