「………?!」 ドアを開けた瞬間、鼻を掠めた臭いに、私の脳裏に一瞬だけ映像が浮かんだ。 まるでフラッシュバックのように。 「あ………」 ――煙草だ。 細く長い指が、灰皿に煙草を押し付けて、消した。 その断片的な映像がハッキリと思い出された。 あれは……誰の指だ?