彼女もボクの今後の針路に納得したようで、


「これからもずっとずっと会えるからね」


 と言い、頷いてみせた。


 ボクはその笑顔を見られるだけでホッとしている。


 愛海がおよそ今時流行らない学校中退の作家に対し、不快感や嫌悪感を抱いていないということで……。


 ボクたち二人はいつでも会える距離にいる。


 お互い忙しい合間を縫って。


 そして六月も半ばとなり、本格的に夏が訪れた。


 ボクも愛海も互いに薄着でいる。


 誰にとっても楽しい夏が訪れていたはずが、一転ボクたち二人に暗雲が立ち込めることなった。


 そう、全く想定外だったあの雨の日の惨劇さえなければ……。