「苦い」


 と言って、テーブル上に纏め買いして置いていたガムシロップとミルクを入れて、匙で掻き回す。


 一口口を付けると、笑顔になる。


 ボクはその唇に自分のそれをそっと重ね合わせた。


 互いに想い合っている証拠となるキスだ。


 蜂蜜のように甘く、そして切なく……。


 ボクたちは遠慮なしに口付け合った。


 すでに開け放っていた窓からは外の風が吹き付けている。


 辺り一帯がほんのりと暖かい。


 そしてまた蒸し暑い夏の一日が始まるのだった。


 薄着で過ごせる暑い日が……。