一つ一つ、微(び)に入り細(さい)に亘(わた)って。


 彼女はそれだけスラスラと言葉が浮かんでくるようだった。


 情緒豊かで、おまけにたくさんの本を読みつけているからか、愛海は佳作を書いている。


 今はまだケータイサイトで発表するぐらいのことしか出来ていないのだが、ボクは彼女が必ずや大成することを願っていた。


 たとえは悪いが、作家の描く小説も株や競馬と同じだ。


 投資した分だけリターンが返ってくると、それでいいのだった。


 ボクは期待していた。


 愛海の作品が日の目を見ることを……。


 起きてきた彼女が、


「コーヒー欲しい」


 と言ってきたので、ボクが淹れていたアイスコーヒーを差し出す。


 一口啜って思わず、