と言い、グラスを二つ用意して粉末を入れ、夏場らしく氷を浮かべて、アイスで淹れる。


 お湯を沸かさずに、直接水道水で淹れたのだ。


 幸い、R県の外れにあるこの街は飲み水がとてもいい。


 井戸水で生のまま飲んでも全然平気なのだ。


 ボクはこの街に来てから、盛んに水を飲むようになったし、実際飲料類は牛乳や野菜ジュース以外は一切買わない。


 それだけ井戸水は体にいいのだ。


 そしてその水で淹れたコーヒーもまた格段に美味しい。


 ある意味、故郷である北海道で湧き出た水よりも、こっちの水の方が断然ボクはよかった。


 それにボクはオヤジとの仲の悪さで、完全に故郷を捨ててしまっている。


 もう二度と帰るつもりはなかった。


 ボク自身、愛海と一緒に大学生活を送りながら、たとえ将来進むべき道は違ったにしても、学生である間は共に過ごしたいと思っている。