それはボクたち二人が互いに分かっていることだった。


 その夜、ボクは愛海の寝顔を見つめながら、ゆっくりと過ごす。


 夜勤のバイトはないので、すっかり寛いでいた。


 ボクは夜型の生活をしているので、今のリズムが合っていて、すっかり慣れきってしまっている。


 逆に愛海は朝早く起きて、洗面やメイクを済ませてから、太陽が出ている時間帯に活動していた。


 ボクは夜勤明けの朝は学校に直行することもあったし、昼過ぎまで寝ているときもある。


 ボクと愛海は生活のリズムが対照的なのだ。


 だが、それでも変な感じは全くと言っていいほど覚えない。
 

 ボクたち二人は互いを想い合っているからこそ、この関係が続いていっている。


 そして愛海は暇を見つけては原稿を書いているようで、七月初旬に締め切りの新人賞に公募するつもりでいるらしい。


 彼女は本職の作家を目指している。