「ありがとう」


 ボクが礼を言うと、彼女が笑顔になる。
 

 互いにすっかり満たされていた。


 揃って食事し終えると、ボクは愛海に、


「後片付け俺がするから。君は休んでて」


 と言った。


「じゃあ、お言葉に甘えて」


 彼女がそう言い、ベッドに横になる。


 食欲が満たされたからなのか、いつの間にやら愛海は寝入ってしまっていた。


 ボクはキッチンでスポンジに洗剤を含ませて皿を洗いながらも、彼女のことを想っている。


 ボクも愛海もすっかり親密になったお陰で、一緒にいて全然違和感がない。


 逆に言えば、学生同士でも違和感を覚えてしまうカップルなど続かないのである。