おまけに無駄な干渉もし合わなかった。


 それが恋人同士としては極めて当たり前のことである。
 

 仮に一学生カップルであったにしても……。


 お互い自分の抱く目標に向かって走り続けるのはとてもいいことなのだ。


 まだ若いし、無限の可能性を秘めているのだから。


 ボクの部屋に来た愛海が、


「たまには布団ぐらい干したら?」


 と言うと、ボクが、


「俺の部屋、ベランダがないからね」


 と返して、ヘヘヘと笑った。


 シーツは汗染みなど汚れが付けば洗濯機で洗濯するし、毛布もクリーニングに出すのだが、布団はさすがに干せない。


 愛海に言われて初めて気が付いたのは、布団がペったんこになっていることだった。