「今日はお家でデートしよう」


 と言ってきた。


 さすがに夏場で、外は蒸し暑い。


 確かに愛海の言う通り、こういったときは、どちらかの部屋で過ごすのが一番なのだ。


 ボクも彼女もいくら無邪気だと言っても、成人しているので分別はちゃんとあった。


 セックスにしても人が見ていない場所でするのだし、愛海はボクに対して、とても優しい。


 彼女の湧き出るような優しさは、おそらく作家という文章を書く人間を目指しているからだろう。


 普通の人よりも情緒が豊かなのだ。


 そしてその感受性で、愛海はしっかりとボクの気持ちを受け止めてくれ、またボク自身も、彼女を受け入れていた。


 つまり互いに補い合うという関係で、ボクも愛海も付き合え続けている。


 中学生とか高校生じゃないのだから、大人としての自覚もあれば、モラルもちゃんとあるし、変にけん制し合わない。