これが若いということなのだろう。


 初夏を思わせる陽気の海辺で、ボクたちは日が落ちるまで寛いでいた。


 着ていたシャツに汗が滲(にじ)む。


 夕べの海は静かだった。


 辺りに人がいないのをいいことにボクたちはそっと口付けを交わす。


 無我夢中で求め合った。


 そう、執拗(しつよう)なまでに。


 夕暮れ時の海は彼方にある太陽がオレンジ色だ。


 ボクたちは砂浜に座ったまま、その夕日を見つめ続けていた。


 唇同士がゆっくりと、何度も繰り返し重なり合っている。


 抱き合う場が車中へと移ったのは、キスが始まってから二十分後のことだ。


 二人で濃密に絡み合う。


 言わずもがなでゆっくりと……。