そしてボクも愛海も段々とその手の人間たちとは離れていき、二人で過ごせる時間が何より大切に思えるようになった。


 これは愛情が深まった何よりの証拠である。


 ボクたち二人は結ばれていて、いつの間にかツーカーで通る仲になっていた。


 こうなってくると、二人で過ごす時間は何にも増して大切なものとなる。


 ボクは夜勤で帰ってきて、一眠りすると、愛海と誘い合わせて学校に行っていた。


 いつも正門前で待ち合わせる。


 大体、午前九時過ぎにはボクも約束の場所に来ていた。


 二人で講義に出れば、ボクは話を聞くだけで、愛海の方がノートを取ってくれる。


 ボクたちはまるでつるむようにして講義に出ながら、終了時間が来たら、普通に帰って行く。


 これが実に自然なのだった。


 その日、授業が終わってから、愛海の方が言ってきた。


「今から海に行こうか?」