さすがのボクも五回ほど行って辞めてしまった。


 愛海と付き合っていて、彼女が、


「そんなバイト辞めたら?」


 と言ってきたので、ボクも素直にその言葉に従い、それから先は肉体労働から一切離れた。


 ちょうど学内の掲示板に貼ってあるバイト募集のチラシを見ながら、ボクは今の警備保障会社のバイトを知ったのだ。


 夜間で午後八時に出社して、翌朝は午前五時に退社でき、週三回、時給は九百五十円だった。


 ボクはすぐにそのバイト先に電話して、面接に行き、倉田さんと一緒に仕事するようになった。


 大学一年の秋からだから、もう一年以上お世話になっている。


 ボクは夜勤というスタイルにすっかり慣れ、春と秋冬は長袖のシャツを着て、夏場は半袖のワイシャツに腕を通す。


 ボク自身、倉田さんとは別に適当に話をしておけば済むことだった。