あたしはわけも分からず、ただ大貴に伝えなければならない沢山のことを伝えようとした。 けれど、多くの想いが喉につっかえて出てこない。 大貴は黙ってあたしを見降ろしている。 やっとのことで 「ティアラ……」 そう言うと、大貴はあたしの頭からティアラを外し、そのままあたしと目も合わせずに何処かへ歩き出した。 大貴、待って 置いていかないで ―――大貴