会沢家は、まさに旧家という感じだった。 純日本家屋に日本庭園。 使用人はみんな着物だし、もちろん会沢家の人間も着物を着ていた。 そこに、洋服の2人。 「何か、凄い家だね……」 大貴に小声で言った。 あたしと大貴は客間に通されて、大貴の父親である藤五郎が来るのを待っている。 「大貴も実家にいるときは着物だったの?」 「ああ」 ……見てみたい。 想像して勝手にこっそりはしゃいだ。脳内で。