教室に戻ると、もう授業が始まるところだった。 先生に注意はされたけれど、優菜に高瀬君の用事が何だったのか聞かれるよりはマシだと思った。 最近嘘をつき過ぎて、また嘘をつくことになっていたらと思うと少し辛かった。 仕事柄もともと嘘の塊みたいなものだけど。 十星と出会ってからというもの、大貴にまで嘘を重ねて秘密を作っているせいかもしれない。