連れていかれたのは屋上。 普通は鍵がかかっていて生徒は立ち入れないのだが、高瀬君がノブを回すとあっさり開いた。 ここに監督いるわけない。 そう思いつつも高瀬君のあとに続いて屋上に足を踏み入れた。 にしても。 一体どうやって開けたのかな。 小細工したようには見えなかったけど…… 考えていると高瀬君は言った。 「1ヶ月後だから」 「……なにが?」 「昨日約束したでしょ」 十星の盗みを見せてもらう約束。 「あ」 その後大泣きしたせいかすっかり忘れていた。