お母さんと決裂してから避けてた実家からの電話。
お母さん?
な訳ないよね。
電話の向こうはやっぱり父親だった。
「葵、今大丈夫?」
「うん……全然平気だけど」
「実は……おじいちゃんが入院したんだ……」
嘘?
嘘でしょ??
おじいちゃんはいっつも元気で、病院が大嫌いで、そんな人が入院だなんてただ事じゃないのがすぐに分かった。
「今すぐ行くよ!」
遠い大阪で寝ているであろうリュウジに電話をするも出ない。
お義姉さんも……出ない。
お義父さんも……出ない。
お義母さんも……出た!!!
「お忙しいところすみません。あのっ!うちの祖父も倒れて入院してしまって……実家に向かいたいんですけどリュウジさんいますか?」
お義母さんは慌てて隣で酔い潰れていたであろうリュウジを起こしてくれた。
とりあえず事情を話すと愛車の軽に乗り込み、高速をマックススピードで飛ばして病院へと向かう。
いつもは片道3/4ぐらいしか減らないガソリンが……Eギリギリになるほどに暴走して、明け方……ようやく病院へと着いた。


