一社目。
久々の面接で緊張しまくり……もう既に他で決まってた空気もあって見事に落ちる。
っていうか、いくらもう決まっていたとしてもあんな適当に受け流す会社こっちからお断り。
二社目。
ここで採用が決まった。
本社が私の実家のそばで好感度が上がったらしい。それとも履歴書に書いたあの言葉のせい?
採用されたのはたった5人しかいない営業所の事務員として。
入社は8月からに決まり、最後ののんびり生活を楽しんでいた私の元へ……突然の電話が鳴り響いた。
「葵ちゃん、リュウジそこにいる? 大阪のおじいちゃんが……亡くなったんよ……」
それは……義母さんからの電話。
相当ショックなのだろう。いつもの強さが全く無い。
そんな電話は……これから連鎖する出来事のまだ始まりだった。


