「とりあえずうちの病院ではここまでしか出来ないです」
そう言われ、私は、近所の泌尿器科への紹介状を持ってとぼとぼと病院を後にした。
「まだ詳しい検査をしてないのでなんとも言えませんが……普通はこういっぱい見えるんですよ。問題があって動いていない人とかはいるんですが桜木さんのは死骸すら見えない」
それは、とてもとても重たい結果。
なんて……リュウジに言おう。
これから痛くても辛くても我慢して、私の検査をしていく覚悟だったのに。
先生からもらった紹介状の封印をそっと解いて見てみる。
『乏精子症の疑いあり』
何度見ても事実。
って事は私は……ひょっとして2連続、たまたま男性不妊の相手と結婚したって事なのだろうか?
いや、もちろん私にも問題があるかもしれないんだけれど。
溜め息が止まらない。
帰ったら今度は男性不妊について調べよう。
普通の不妊だって大体抜け道はあるんだもん。
調べたら……きっと、良い治療法があるよね。


