椅子に座っていたのは最近遭遇率の高いN先生。
未だ出血が収まらない事を話すと、明日の診察を止めて今日診てくれると言う。
ひとまず助かった……けれどまだ結果はこれから。
今日診察する、という事が決まっただけの状態で再びお友達と合流しアナウンスを待つ。
もし……内膜が剥がれかかっていたら?
そんな不安に負けないように、出来るだけ笑顔を作っていつもの自分で。
呼ばれるのが怖い。
けれど、この状態で待っているのもどうしようもなく苦しい。
そんな葛藤を抱え、じっと待っていると
「静岡県の桜木様、5番診察へどうぞ」
私を内診へ呼ぶ声が聞こえた。


