ようやく順番が来て点滴の針が抜かれ、紙パックのお茶とお菓子を貰う。
乾いたのどに冷えたお茶をありがたく戴いていると
「桜木さんだけ今後の指示が書いてないんですよね」
ぼそっと看護師さんが言った。
え?
私だけ……無い??
「悪いんだけどこの後診察があるので直接聞いて下さいね」
申し訳なさそうにする看護師さんには……何も言えなかった。
どこか悪かったの??
卵の状態が……良くなかったとか??
不安を募らせながら、リュウジの待つ待合室へ。
「急に全身麻酔だって言うから心配したよ」
そう言ってくれる彼に笑顔を向けるも……不安はつきない。
それから少しして、膣内で血液を吸収させていたガーゼの回収。
そして……診察室へ。
痛むお腹を押さえながら、そろりそろりと院長先生の部屋へ入った。


