3ヶ月目。
「リュウジ、あれが欲しいの」
私が指差すのはオークションの画面。
不妊治療のなんとやらな本も数冊に増えていたある日、本の広告に釘付けになったのだ。
それは【唾液で排卵日がわかる!!】のキャッチコピー。
そんな簡単に妊娠なんてしない。
わかってるんだけど欲しいと思ったら、一日も早く妊娠したい!!
「本当に分かるの?」
「や、試してみなきゃわかんないけどさ。基礎体温だけじゃいまいち不安で。。。」
「ま、葵が欲しいんだったら買って……みる?」
「うんっ!」
リュウジの了解を得て、それはすぐに届いた。
基礎体温上では排卵日が来ているものの、ひょっとして実は排卵してないのかな?って。
それが一番不安だったんだ。
排卵していなければいくら仲良くしたところでどうにもならない。
届いたのは口紅サイズの顕微鏡のようなもの。
レンズの先の部分に薄く唾液を塗る。
乾かすこと少し。
その後レンズを覗きこむと模様が見える。
排卵日以外はただの粒々しか映らないけれど、排卵日にはシダ状の模様が映るのだ。
この事実に気付いた人、ちょっと凄いと思う。


