結局まだその兆候は現れないまま……私は実家へと帰る。 法事……人が好きな私は、親戚の集まりなんかは嫌いな方じゃない。 それでも、緊張していた私の前へ……いとこが登場した。 美咲を見た時のような感情になりませんように……。 祈るように顔を上げると その腕の中には、これまで見た事のないような それこそ天使のような、可愛い可愛い赤ちゃんが まっすぐ私へと視線を向けていた。