男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~




7月末を逃したら次は9月。


現実と向き合うのがどこか怖いのか、尻込みする私の背中を押したのは……


「勢いって大事だと思う」


そう言った母の言葉だった。


母との関係は、あれから2年、本当に少しづつではあるが改善されて来ている。


簡単に溝は埋まらない。


けれど……孫への期待を持った母は、一気に優しくなった。


私の元へ、母の方から(もちろん不妊治療の進捗を探りに……だけど)電話がかかってくるようになるなんて。


あの頃は思えなかったのに。