これまで安定していた、そう聞いていたけど。
ここに一人残る私だけ、異変に気付いてしまった。
ベルの鳴る間隔が……少しづつだけど短くなっている。
鳴る度体をさすり血行を良くしてみる。
すると少しの間だけ戻る。
そしてまた鳴るの繰り返し。
朝までの間、短くなる間隔に一人怯えながら……
「おはよう。ありがとね、葵」
「今朝は血圧低めだね」
両親には……言えなかった。
ただ。
「ベル鳴り過ぎじゃない?」
そう聞いたけど
「薬のせいでそうなるんだって。あと夜は低いとか」
お母さんも看護婦さんと同じことを言っていた。
ひょっとしたら本当にそうかもしれない。
気がついたら何も食べていない事を思いだし、看病をまた少しの間両親に任せ売店へ向かった。


