「また来るかなって思ってたのに……」 涼太は、スーパーボールを床に落とし、跳ね返ってきたボールをまたキャッチする。 「え……」 「いや、何でもない」 涼太はスーパーボールをもう一度床に投げつけた。 そのボールは、涼太の狙い通り、桜子の手へと飛んでいく。 「ひゃっ!!」 「あはははは」 ボールに驚いた桜子は、もっと真っ赤になった。 でも、とんでもなくかわいい笑顔になった。 さっきまでの緊張した顔もかわいいけど、やっぱり笑顔が素敵だから。 涼太、しっかり見てくれ。 桜子の笑顔。