腕で涙を拭った淳平は、立ち上がった。 雪乃ちゃんも涙を拭いた。 「あきらめるなんてできないけど、桜子と涼太の邪魔はしない。アイツらは両想いなんだもんな」 雪乃ちゃんは、何も言わずに淳平を見つめていた。 「雪乃も辛かっただろ」 淳平は、雪乃ちゃんの頭にそっと手を乗せた。 どういうこと? 爽やかな風はふたりの間を吹きぬけた。 「俺、気付いてた。お前の気持ち」 淳平は、優しく微笑んで、雪乃の頭を撫でた。