「ちょっと……トボ助、携帯出してない?」 サッキーも涼太と一緒に中を覗きながら言った。 「まじで?」 「やばくねぇか?」 淳平と弘道も腰を上げた。 トボ助はポケットから出した携帯電話を机の上に置いて、何やら話していた。 僕は、涼太の代わりにトボ助の声を拾う為に教室に忍び込んだ。 「樋渡は、何か悩んでいることはないのか?」 トボ助は、右手で携帯を触りながら、桜子をジロジロ見ていた。 怪しいと思いながら見ているとすべてが怪しく見えてくる。