っていうか… 蓮の姿はもうなかった。 自動ドアの向こうに見える蓮の姿はこちらに向かってにこやかに手をふりながらどんどん小さくなっていく。 はやっ!! 私の怒りセンサーを察知して、いつも逃げ足だけは早い。 黒毛和牛のせいで電話を切られた……? 呆然としながら 突き付けられた事実が……脳いっぱいに広がる。 ありえない… ありえない… ありえない… お経のようにブツブツ唱える私。 あははっ って笑うしかない?