僕にキが訪れる

木製のベンチに僕達は腰掛け、のんびりと周りを見た。

目の前に広がるのはやっぱり平和な光景。

子ども達の笑い声。

老夫婦の微笑み。

鳩がまるで警戒した様子もなく人のすぐ側でエサをついばみ、木々はそれらを見守るように優しくざわめく。

ただそこにいるだけで安らかになれる、不思議な空間。

家のすぐ近くにこんなに心落ち着く場所があったのに、僕はそれを知らなかったのだな。

少し勿体無いことをしていた気がした。