僕にキが訪れる

「とりあえずはダンナを見つけるところからじゃないかな」


「あー、そうよねぇ……旦那さん、かぁ……」


呟いた後で何かを考えるような素振りを見せる委員長。

理想の夫像でも描いているのだろうか?

その横顔は、少し幸せそうに見えた。

委員長も女の子なんだなぁ、なんて失礼なことを思った後、その表情を見て、何故だろうか、妙な寂しさのようなものを感じた。

どうしてそんな感情を覚えたのか。

よくわからない。

その正体を掴もうとした時、委員長が「あの辺座ろうか」とベンチを指差し、そこで僕の思考は途切れた。

まぁ、後でまた考えればいいか。