僕にキが訪れる

それから僕達は、どちらからともなく公園の中をぶらぶらと歩き出した。

園内の風景はとても平和なものだった。

子ども達は元気に笑いながら走り回り、その母親と思しき人がそれを宥めつつ、他の親との世間話に興じている。

散歩に来ているのだろうか、老人の姿もちらほらと見受けられた。

……あの年になるまで、彼らは一体どんな苦労を重ねてきたのだろうか。

そして今、どんなことを思っているのだろうか。

自分の終わりが近付いていることをイヤでも自覚せねばならないあの人達は、そのことについて、どんな風に感じているのだろうか。

興味はあったが、面と向かって聞くのは失礼というものだし、何よりわざわざ聞く気にもならなかった。