僕にキが訪れる

あれ、時間間違えたか……?


ていうか時計が遅れてた?


しかし時計は狂っている様子はない。

記憶にも確かに約束は10時だとある。


「あれ? 早いね?」


到着した僕を見て、委員長はそんなことを言った。

やっぱり時間は間違ってないらしい。


「うん……ていうか、そっちの方が早いんだけど」


「あ、あぁ私? 何か余裕見て来たらこんな時間になっちゃって……あはは。
まぁでも、待つのキライじゃないしさ」


髪をかきあげながら、彼女は恥ずかしそうに笑った。