僕にキが訪れる

もしや自分に気でもあるのか、なんて考えはすぐに消え去った。

自分のようなつまらない人間を、一体誰が好きになるというのか。

彼女はただの責任感の塊であり、僕は彼女の役目の対象の1つでしかない。


だがしかし、それでいいのだろう。


寂しいとは思わない。


それでいいのだ。


今までだってそうだった。

生きていく上で困ることなどなかった。



独りが好きだった。



煩わしいものが苦手だった。



だから、これからもそれでいい。