僕にキが訪れる

「そーいえば」


ふと思い出したように彼女が漏らした。


「鈴木君って昼間両親いないの?」


「共働きでね。2人とも働くのが好きらしいよ」


それともこんな風になってしまった子供の側にいるのが辛いのか。


「ふーん……じゃあいっつも1人なんだ?」


「まぁね」


「そっかー……」



また沈黙。



しかし今度は心なしか落ち着きがなくなったように見える。