僕にキが訪れる

「ほら、別に俺も引きこもりってワケじゃあないし。
だから、カウンセリングも必要ないわけで。
コレ以上会ったって、無駄だろう?
キミだってこんな厄介な病気抱えてるヤツの近くになんていたくないだろうし。
だから、もう、関わらなくて良いよ。今まで、ありが……」




「―――それで、逃げるの?」




息を吸うのを、数秒忘れてしまった。




「そうやって、本音とかさらけ出すことから、逃げるの?」


自分の頬が、引きつったような気がした。

どうして、この人はそんなことを言う?

そんなこと、誰にも、言ったことないのに。

そうだ、僕はずっと、誰にも何にも言わずに来たのだから。

そんなこと、わかるわけないのに。