引き抜いた芽をしばらく見つめ、彼女は「えっと……」と困ったように僕を見る。

自分で自分のした行為に驚いているようで、ちょっとだけ面白いな、と思ってしまう。

とはいえ、いつまでもここで立っているわけにもいかないだろう。

扉を開き、彼女を招く。


「ちゃんとお茶はあるんでしょうね?」


余裕がなくとも、こんなところはちゃんとしている。



あぁ、委員長だ。



僕は密かに笑い、彼女に見えないよう涙を拭った。