「何よ、こんなもの!」


彼女はまるで恐れる様子も見せず、芽を掴むと、力いっぱい、無理矢理に引き抜いた。

ぶちぶち、と音がして、周りの皮膚ごと持っていかれる。


「痛ッ!」


さすがに皮膚が裂ける痛みはたまらなく、声を上げてしまう。


「あ、ご、ごめんなさい、つい……」


やってしまった後で、彼女は後悔するようにうなだれてしまった。

痛くはあった。

けれど、その優しい暴力に、僕は嬉しさを感じていた。

まるで恐れる様子もなく。

彼女が、僕に触れたのだ。

僕の、芽を。