僕にキが訪れる

「ホントに? よかったぁ……」


ほっとしたように一息つくと、彼女も弁当に手を出し始めた。

お世辞ではなく、素直に美味しいと思った。

ウチの母親の作るから揚げとはだいぶ味が違うのだが、ニンニクでも使っているのだろうか?

とにかく、美味しかった。

5個も入っていてよかった、なんて素直に思えた。

玉子焼きもほんのりと甘く上品に焼き上げられていたりと、他のおかずも文句の付けようのない出来だった。