元々人と話すのはそれほど好きでもなかった。

学校に行っていたのもただ何となくだった。

周りがそうしているから、自分もそうすべきなんだと。

明確な意思も目的もなく、そうやって僕は毎日を過ごしていた。

だからといって周りと上手くやれてなかったわけじゃない。

作り笑いのやり方を学んだのは何よりあの場所だった。

周りに合わせて笑ってさえいればそれでどうにかなる。

それは、周りも皆作り笑いでやり過ごしているからなのだろうか。

わからないし、知りたいとも思わなかった。

ただ他人と調子を合わせているだけで十分だったから、それでよかったのだろうと思う。

しかしそれも人と会う必要のなくなった今となっては無駄になったが。