「大丈夫ですよ、琴弥様」



「笹山さん…」




優しい、父親のような目であたしを見てくる笹山さん。


でも、外見はまだ二十歳前半に見える。




「そういえば、笹山さんって今いくつなんですか?」



「私ですか?三十歳です」



「ええっ………?」




驚きのあまり、車内で大声を出すあたしを見て、笹山さんは首を傾げる。




「どうかしましたか?琴弥様。

私、年よりも老けて見えます?」



「い…いえ!

あたしてっきり、二十歳なのかと思ってまして…」




恥ずかしさで顔が熱くなっていくのを感じる。


笹山さんは「よく言われるので気にしないで下さい」と笑っていた。




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